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あたしの名前はキャロライン! このお家に、パパとママと住んでるの!
今はママお気に入りのドレスを着せられて、窓辺でちょっとおすまし。あたしはレディーだからお洒落しなきゃなんないんだって。
けどホントはお洋服よりも、お外であそぶほうが好き。ごはんの時間はもっと好き。大好き。そうそう、おなかすいたなあ。ごはんまだかなあ……。
「キャロちゃん、ごはんよお」
あっ、ママだ。
『ごはん! ごはん! ママ、はやく、ごはん! はやく! はやく!』
「はいはい。キャロちゃんは良い子だもんねー。まずは『待て』しようねー」
ママは笑いながらあたし専用のお皿を床に置く。
「待て」
えっ? 待つの? そしたらママ、いっぱい、ほめてくれる? なら、
『うん、うん! 待つ待つ! ずっと待ってるから! だから、ごはん、ちょーだい! ね、もう食べてもいーい?』
「まだよー待てよー」
え!? まだなの?
まだかな?
まだかな?
ねえ、まだ?
まだ?
まだなの?
もう、いいよね?
いっぱい待ったもん!
あたしはお皿のなかに顔をつっこんだ。
「あっ、キャロちゃん!?」
おいしー。ごはん、おいしいよ、ママ。
「5、6秒くらいしかたってないんじゃないか? キャロはバカ犬だなあ……」
今まで空気みたいだったパパが何か言ってきた。
「6秒も待てたなんて……すごいわ! キャロちゃん、偉かったわねー。いい子いい子」
と、ママは嬉しそう。
うん、そうでしょ! ほめて、ほめて! もっとほめて! 尻尾振っちゃう!
だって、
ずっと待ってたんだから!
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