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「ありがとう、私も今同じこと考えてた」
「また、一緒に飲みに行こうね」
「うん」
瑞穂も微笑みそう言ってくれた。
「じゃあ、またねー」
バイバイ、と手を振る美玲と瑞穂。
その様子がまるでまた明日も会うみたい。
しばらく会うこともないのに何だか学生時代に戻ったような、そんな不思議な感覚を覚えた。
見送る美玲と瑞穂の姿が人ごみに紛れて少しずつ見えなくなる。
その瞬間が一番淋しい。
そして──
「……また、会おうね」
美玲と瑞穂が見えなくなった。淋しげなな思いを胸に残し、私は手を下ろして京急改札を後にした。
別にこの後どこかへ行くあてがあったわけじゃない。
ただ、横浜の街が好きで周辺を散策することにした。横浜駅西口を出て真っ直ぐしばらく歩く。
この辺りはファッションビルやバラエティショップがある。でもそれだけではない。居酒屋の店舗も数多くあるので、特に人通りが多い場所と言っても過言ではない。
「あっ」
私は足を止めた。ビルの前に置かれていた居酒屋の看板が目に入ったのだ。
……そういえばこの居酒屋、学生時代によく行ったけ。
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