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「久々の横浜だもんねー。私も綾と一緒に遊びたいけど明日仕事だしなぁ。仕事じゃなければ付き合ったんだけど……」
「仕事なら仕方ないよ」
「えー? 仕事休みたーい」
泣き言を言う美玲に私は思わず苦笑した。
そんな美玲を宥めながら会計を済ませ店を後にした。
時刻は午後の9時過ぎ。
横浜の夜は空の闇を吹き飛ばすかのように明るい。
それはネオン灯る街灯だけの明るさだけじゃない。行き交わる多くの人々の楽しそうな表情、笑顔。
……変わらないなぁ。
「どうしたの?」
「え?」
瑞穂が顔を覗きこんで訊ねてきた。
「いや、笑ってるからどうしたのかな?って思って」
「うん、綾が急に笑うから私も瑞穂と同じこと思ってた」
美玲まで……まるで私が怪しい人みたいじゃない。
でも無意識に頬が緩んだのかな?
私は少し恥ずかしくなり頬を手に添え、
「何か、ね。横浜に久しぶりに戻った時は駅中に知らないお店が出来てたり、知ってるお店が閉店して、私の知ってる横浜とは違って少し淋しくなったんだけど……」
「そうだね、2年の間で横浜駅も結構変わったからなぁ」
瑞穂が辺りを見回すように相槌を打つ。
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