玉手箱

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 黒板に卒業の文字が大きく書かれ、卒業証書を持った女の子が一人。女の子は三年間を思い出し、二度と過ごせない時に涙を流す。  黒板には卒業の文字だけはなく、それまで過ごした人たちの個性が出るような言葉が書かれていた。ある言葉にはふざけた「おっぱい」。ホラー好きは黒板に描かれた女の子に、血の涙を流させた。クラスメイトにむけ「お前ら大好き」、再会の願い、ひとつひとつが彼女には愛おしかった。  教室のドアが開き男の子が入る。これもまた卒業生の一人だった。 「写真一枚いい?」 「いいよ」  彼女は涙を指先で拭い、振り向きほほ笑む。
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