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部活で、あるいはクラスでの高瀬瑞姫の評価は「病弱だけどいい子」だ。常に控えめに控えめに同調するふりをして、都合の悪いときには体調不良で逃げ出す。
あまりに体調不良が多ければ、不審に思う人間もいるかもしれない。だから瑞姫は先手を打ってきた。
高校一年生から時々具合が悪いなどと言って授業を中座した。
貧血だといって保健室に通いつめ、保険医と懇ろになった。
部活も繊細な子が好みそうなフルートを選び、ことあるごとに病院だ体調不良だと遅刻や早退を繰り返した。
先生も生徒も、瑞姫を病弱な存在だと認めている。だから休みが増えたとしても疑問に思わない。
嫌な授業ややりたくないイベントからの逃走で休んだとしても、誰も口に出さない環境を作り上げたのだ。
もしかしたら、と思うやつも一人や二人いるかもしれない。しかしそれは日頃の人徳だ。
瑞姫は大人しいが従順な皮を被り、「サボりなんて考えなさそうな子」を作り上げた。
成績優秀、病気以外の遅刻や欠席はなし。品行方正な生徒を演じることで。
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