2人が本棚に入れています
本棚に追加
「今度、常連を呼んでここで宴会をやろうか」
俺が思いつきをそのまま口に出すと、裕之は案外すんなりと同意した。
「父さん達も呼ぼう」
「盛大にな」
うん
きっとそれが良い。
じいちゃんの好きだったこの場所で
賑やかに、馬鹿みたいに騒いで
大声で笑って
そうやって、じいちゃんを送り出せば良い。
「僕にも一本ちょうだい」
裕之は煙草の煙を吸い込むと、やっぱり盛大にむせて「辛くてまずい」と言った。
「煙草の煙って、目に染みるよな」
「……さぁ?」
俺と裕之はそれからしばらく昇る二つの白い筋を見つめて
ただただ、じいちゃんの冥福を祈っていた。
最初のコメントを投稿しよう!