7人が本棚に入れています
本棚に追加
ジョーカーが好んで飲んだのはジャックダニエル。
キープボトルのホルダーに書かれた《J》の一文字。
そして、ストレートで何杯か飲むと決まって鼻歌が聞こえてくる。
消えそうなくらいの小さな鼻歌…。ン…ン…ン…ン…。
その音は…ド…ソ…ミ…ソ…。
伴奏?
4つの音が繰り返される。
暫く続けてピタッと止まる。
煙草の煙と鼻歌は不思議な空気を漂わせた。神秘的な気を放つジョーカー。
彼が何者で何処の誰でも、誰も干渉しない。それは夜の街独特の空気だ。
ある時、ジョーカーが帰り際に言った。
「マスター、あの扉。開けるなよ。また来る。」
あの扉?
どこに扉があるんだ?
………扉って…なに…。
最初のコメントを投稿しよう!