episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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「生粋のトラブルメーカーだ」 「ああ。いつだってこの子は想像の上をいく」 かすかに感じる振動。 「悪い意味でな」 「そうは言ってないよ」 「他にも何か冗談を言う?」 密閉された空気と 逃げ場のない圧迫感で すぐに車の中だと分かった。 「はぁ……」 横たわる僕の頭を膝に抱き 深くため息をつくのは九条さんだ。 「元々馬鹿なのは仕方ないとして――とにかく薬を抜かないことにはお話にならない」 てことは 運転席で舌打ちするのが王様だ。
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