164人が本棚に入れています
本棚に追加
「3日交代だ」
アクセルを吹かし
徐々にスピードを上げながら征司が言った。
「3日俺が見て、3日あんたが見る。俺が殺しかけたところであんたが生き返らせるんだ」
「それが一番いい方法だって?」
「いや。考えてる時間がないだけさ」
「仕方ないね」
それはまた
前例のない互いの譲歩――。
「隠れ家の場所を覚えたらあんたが運転して帰ってくれ。3日後にあんたが来たら同じように俺が運転して帰る」
つまり
逃げ出す車もない山奥に足止めし。
かわりばんこに
中毒患者の僕を見張る気だ。
「最初の3日間は何があっても――俺が力尽く捩じ伏せる」
征司は一際冷酷な声音で囁いた。
最初のコメントを投稿しよう!