episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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車が止まる。 と同時に 「ンン……」 僕は目覚めたふりをした。 「大丈夫かい?」 眼隠しが外される。 征司はすでに車を降りていて 九条さんがこれ以上ない優しい顔で どうしょうもないもない恋人を見下ろしていた。 「ここはどこ?」 薄暗い車内灯でも 今の僕には十分眩しくて目を細める。 「ずいぶん山奥に来たんだね」 窓の外は まさに生い茂る森だった。
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