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「教えられないんだ」
困り顔の九条さんに支えられながら
僕は後部座席で身体を起こす。
「分かった。僕を殺して埋めるんでしょう?」
冗談の一つでもと思ったけれど。
今はお互い
とても笑える状況じゃないみたい。
「ごめんなさい……」
僕が謝って
「うん……」
彼が許す。
毎度のこと。
だけど今回ばかりは――。
「殺して埋める――あながち間違ってないかもしれない」
「わお」
「それを僕が掘り返しにくる。3日たったらね」
先刻の話の通り。
がっかりと肩を落として
九条さんは言った。
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