164人が本棚に入れています
本棚に追加
情けない。
頬を伝う涙を拭って
「3日経っても来なくていい……」
絶対後悔すると
分かっているのに口走る。
「和樹……」
「いい加減目を覚ませよ、九条敬!」
とにかく今の僕には
この人の愛を受け入れる
純粋さの欠片もなくて――。
「あんたに僕の世話は無理だ」
本当はいつまでも
優しく抱いていて欲しいのに。
「分かったら帰ってくれ」
温かい手を
自分からはねつけて
僕は車を降りた。
最初のコメントを投稿しよう!