episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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出し物は終わりとばかり 少しずつ人の輪が散らばりかけた会場の真ん中で。 「大至急送って欲しい資料があるとお願いしていたのよね」 茶封筒の封を切りながら わざとらしい高い声で貴恵が笑った。 「すごいな。フェミニストの集いですか?」 怪訝な顔した二人の紳士の視線に 耐えられなくなったのか。 凪は社交辞令の笑顔を浮かべて 落ちつかなさげにあたりを見回す。 「ええ、そうよ」 もう少し 僕が正気だったなら。 「あなたもパーティーを楽しんで」 もっと早く 悪女の企てを止められたんだろうけど――。
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