episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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どれだけ責められても 今の僕には返す言葉もなかった。 目覚めの虚無。 倦怠感。 焦燥感。 「こんなはずじゃ……ないのに……」 薬が切れると みんないっぺんに襲い掛かってくる。 「どう考えても変だ……」 僕は焦点の合わない目で ひとり言のように呟いた。 未認可とはいえ 僕が飲んでいた薬はただの精神薬で。 ここまでひどい副作用に見舞われるはずはなかった。 (もしかしたら――) 僕が一つの恐ろしい答えに辿りついた 瞬間。 「おまえみたいなひねくれ者が、なぜ今まで気付かなかった?」 膝からカクンと屑折れる僕を 征司は片腕ですくい上げ 「あの男に騙されたのさ」 怒りに燃える目で言った。
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