episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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言われなくても メイドの真似事した時点で十分――。 いやもっと前から 自分が馬鹿なことぐらい気づいてる。 「それで?」 「それでって?」 「お兄様が治して下さるの……?」 こんな山奥に また馬鹿な僕と二人きり籠って――。 見つめあう。 征司の瞳が揺らぐ。 この人にだって どうしたらいいか分からないことがあるんだ。 だけど天宮征司は強い。 けっして『できない』なんて言わない男だ。 「俺に任せろ」 胸を張って言うと 「多少手荒な手は使うがな」 征司はかすかに笑って 僕を軽々抱き上げた。
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