episode185 フェミニストと訳ありの生贄②

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「まいったな」 メソメソする僕が 予想外だったのか。 「順序が違う。俺は暴れるおまえを縛りあげて力尽く捩じ伏せてやるのが役目だ。こういう湿っぽいのは――」 3日後のお義兄様の役目。 征司は思わず口走る。 「いいか和樹――俺は」 肩をすくめると 自分の頭の中を整理するように 「人の悩みを聞いて、慰めてやるほど優しかないんだ」 征司は言った。 「特におまえがヘマしてメイドの格好で男に奉仕させられた話や、それが原因で女物の下着で人前に出るはめになった話を……」 言いながらきっと 頭に血がのぼったんだ。 「ああ、クソ!」 征司は手近にあったクッションを 壁に向かって投げつけた。
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