164人が本棚に入れています
本棚に追加
「交代なさったら?」
「……何?」
頬擦りして口づける。
「今すぐ九条さんと交代なさったら?」
心とは真逆の挑発。
それは天宮征司を
天宮征司たらしめるスイッチだと。
僕は踏んでいたのだけれど――。
「ッ……!」
憎らしい唇に
落とされたのは
花弁が触れ合うような
優しいキスだった。
「俺にもできるさ」
上唇をついばみながら
征司は甘く囁く。
「俺にも傷ついたおまえを癒せる」
最初のコメントを投稿しよう!