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たくさん
薬を飲んでおいて正解だった。
持ち堪えられないストレスに晒され
精神崩壊寸前で。
「和樹っ……!」
「和樹坊ちゃま……!」
僕に出来ることと言ったら――。
「ウッ……クッア……!」
都合良く泡を吹いて
己の恥ずかしい写真の上に
倒れ込むことぐらいだった。
「和樹!」
「和樹……しっかりしろ!!」
いっそこのまま
死んでしまえれば――。
思ったけれど。
「あら次のお薬が必要な時間なのかしら?」
すぐに前言撤回だ。
「お姉様……絶対に……許さないからな……」
憎き天敵が
霞んでゆく僕の目の前で
「アデュー、和樹」
可愛い子ぶって小さく手を振る。
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