青春の苦味

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永遠にさ迷うことに恐れて いつもなにかなにか壊れてしまい 俺はなにを捨てたのだろう? 苦いブラックを飲む俺は 砂糖が入った甘い珈琲を飲むやつを見下して セブンスターを愛する俺は メンソール系やニコチンの弱い煙草を吸うヤツに勝っていると思っていた 葉巻は金持ちが吸うものだ カフェオーレは女の飲み物だ 決められたことに反発するくせに ルールを勝手に決めたり 決められたりしながら 「俺は俺なんだ!」 自由を一番蔑ろにしていることに 誰も気づきはしなかった。 煙草にも珈琲にも慣れてしまった 綺麗事すらいえなくなり ひとりひとり道を外れていくんだ 俺と他人となにかの間に 青春を振り返るならば 確かにそこには俺がいた。
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