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リムジンから、ボディーガードを4人つけたスーツの中年男性が出てきた。
オーナーはその中年と何か話すと、中年を含む5人を連れて店に入ってきた。
中年はさっきの客の席に座る。
「ストロー」
中年が言うと、オーナーは白いストローを持ってきた。
中年はストローを受け取ると、紙の上の粉を鼻で吸い始めた。
「っんぅー、はぁー。チャーリーに譲ったのか」
中年が言った。
「ああ」
男が言った。
「なぜ、オレの部下ではなくチャーリーなんだ」
中年はコーヒーに手を伸ばした。
「テストだよ」
中年は手を止め、戻した。
「テストだぁ!? あんな重要な仕事をテスト扱いか!」
「悪かったな。だがもう遅い」
中年は机をひっくり返す勢いで立つと、男の前に座って銀色の.38口径マグナムを懐から出した。
「それが失敗したら、あんたよりオレが困るんだ」
中年がおもちゃでも扱うようにマグナムをふる。
「あいつならできるさ」
「何!? ブタ箱にいた奴ができるだと!? よく抜かすぜ」
男は、タバコを灰皿に戻すと中年に煙を吹いた。
「ぶぅふっ、大麻か……」
「さっきのヒョロイのは直ぐにわかったぞ」
「この件については、もし奴が失敗したら殺すからな」
「口の聞き方に気を付けろよ、死ぬのはどっちだ」
男がコートのポケットからナイフを出すと、4人のボディーガードが拳銃を抜いた。
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