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入学式も終わり、そのまま学科別ガイダンスを行うため
講堂から教室へと移動する。
「あーおーいっ!」
後ろから抱き着かれた。
「ゆずのー」
後ろも振り向かずに私は抱き着いてきた腕を外した。
ゆずのは高校からの親友だ。
すこし友情が行き過ぎたところがある。
「あーん!蒼生つめたーい!!」
口をとがらせていじけたふりをする。
「そういえば蒼生、いい人いた?」
「え?」
「やだなー!大学生なんだから彼氏の1人か2人くらい
作らないとでしょ?まあ、蒼生はかわいいから
勝手にできるだろーけど」
そう言って私の顔を撫でた。
自分で言うのも変だが、私は結構モテる。
今まで彼氏が欲しいと思う前に彼氏は出来ていた。
私から告白したことは1度もない。
しかし、断る理由もなかったのでそれなりに
付き合っていた。
別れたのも全て向こうからだった。
別に悲しくはなかった。
学生の付き合いなんかこんなもんだと思っていたから。
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