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部が設立された当初は行き場のなかった部員で構成されていたために、ただの溜まり場としてあるだけだった。これが胃潰瘍部の原形だ。
彼らの学年が上がるにつれて、それも変わっていく。ある一人の生徒が持ち込んだ事態を迅速に対処したことをきっかけに、他の生徒からも頼られることが増えて、学内の何でも屋さんのような存在になるのだが、そのうちに巻き込まれた小さな事件を解決に導いてしまったことで謎を解く楽しさに気づくのだ。
最初の頃は、事件を募集するだけだったが、あまり成果がなく、彼らの引退を機に現在の胃潰瘍部の形となった。
「あとで君に今日の調査報告をまとめてメールするよ。君も何か思い出したことがあったら連絡をして欲しいな」
「はい。私も裕ちゃんの家族に事件について聞いてみます」
宗二たちは学校を後にすると、それぞれの方向に散っていった。
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