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その日は北川琴音にとって久しぶりに気が晴れた日だった。
大学に進学してから初めて会う高校時代の友人との会話は、思い出話から現況に至るまで途切れることなく続き、当初の予定を消化できなくなったほどに盛り上がった。
結局、また近いうちに会う約束をして、その日は別れたのだが、彼女の身に非日常的な出来事が起こったのはその帰り道でのことだった。
突然、「自業自得だ」そう聞こえたと思うと、琴音の視界は一転し、階段の下まで転げ落ちてしまったのだ。
14時13分のことである。
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