少年 尾崎豊

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須藤達は、息を呑んだ。本当に、17歳が作った曲なのだろうか。 彼らが思っていることはただ1つ、 こいつは、天才だ。 大人達が、驚きの表情を見せているのを、豊は、不思議そうな顔をして、見つめていた。 (あっ、これで、オーディションは終了です。) 豊は、椅子から立ち上がった。そして、ドアの前で、まだ驚きを隠せない社員一同に、 失礼しますと、礼をして、退室した。 (いやあ、あの尾崎豊は天才ですねえ。) オーディションが終わった後の、社内は、今日になってその姿を見せた尾崎豊のことで、もちきりとなった。 昨日、彼を散々批判していた上司も、今となっては、彼をべた褒めしている。 (あれで17歳の高校2年でしょ?100年、いや、1000年に1度の天才ですよ!)
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