少年 尾崎豊

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健一と絹枝の部屋に入った豊は、座布団の上に座った。 (お前、オーディションに行ったそうじゃないか。停学中だろ。) 顔を上げることができなかった。 (立派な大学に通って、ちゃんとした仕事に就きなさい。) 叱る父を、うらめしそうな目でにらむ。豊が、停学になったのは、健一のせいでもあるのだ。 自衛官の健一は、頑固で、厳格な昭和の典型的な父親だった。幼い頃から、豊と康は厳しくしつけられ、中学に入るころには、豊は父が嫌いになっていた。そんな父に反発して、家出や飲酒、喫煙などを、繰り返し、今に至っている。
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