第1章 新しき世界へ

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レオン、ヴィクトールが亡くなって1年が経過した。 彼らを失った帝国は、当時ひどい混乱状態にあったが、ジェラールを始めとする帝国の臣民の活躍により現在、徐々に平穏を取り戻しつつある。 度重なったモンスターの襲撃による街の修繕、それによる都市機能の回復。 急な新皇帝即位による国政の混乱とその収拾。 ジェラールに課せられた課題は少なくなかったが、この1年で事態収束の見通しはついてきた。 レオンの意志を受け継いだジェラールは、その本懐である、安定した国による世界の統一と、国に生きる全ての臣民の平穏のため、アバロンを離れ、各地へ赴く決意をするのだった。 レオンとヴィクトールの死後、すぐに動いては、弔いも終わらぬ間にアバロンが隣国に侵攻したなどと無責任な風評を受けかねないため、1年という期間はそうしたほとぼりを冷ます意味でも丁度良い時間であった。
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