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モンスター巣は龍の穴から程近い。
ニーベルから龍の穴までの半分くらいだろうか。
現地に着くとそこには岩山の奥へとつながる洞窟が口を開けていた。
「ここが問題のモンスターがいる洞窟です。陛下、よろしくお願いします。」
「分かった。ベア、ジェイムズ、テレーズ、ヘクター!行くぞ!」
ジェラールはベアたちを引き連れて洞窟へと入った。
格闘家はそれに続いて洞窟内へと進む。
洞窟内はやはりひんやりとしていて薄暗い。
モンスターが好みそうな環境だ。
少し進むと、何体ものモンスターが蠢いているのが見える。
「ジェラール様、ここは俺達に任せてください。」
大剣を勇ましく担ぎ上げたヘクターがゆらりとジェラールの前に歩み出た。
そして獲物を狩る猟犬のような眼でニヤリと笑う。
「オラァ!いくぞ!モンスター共!」
ヘクターは掛け声と共に猛スピードでモンスターに突進、手にする大剣で次々にモンスターをなぎ払う。
道を塞いでいたモンスター達はヘクターの猛攻でみるみる消滅していった。
「おい!ジェイムズ!取りこぼしのモンスターはお前にくれてやる!ジェラール様に近付けるなよ!」
ヘクターがジェイムズに大声で合図するとジェイムズは落ち着き払った様子で剣を構えた。
「フン。貴様に言われるまでもない。」
ヘクターの剣から逃れたモンスターがジェイムズに迫る。
その刹那。
ジェイムズは素早い剣さばきで数体のモンスターを瞬く間に切り伏せた。
「他愛ない。これならジェラール様のお手をわずらわせるまでもないな。」
ジェイムズは静かに剣を納めた。
「こ…これはすごい!」
それを見ていたカールは帝国の予想以上の強さに驚いた。
戦闘行為においては格闘家である自分達が上と考えていたが、それは自身の傲りであり、力量の見誤りであると感じた。
「これならいけるぞ!あのブヨブヨした奴も倒せる!」
カール達が歓喜しているその頃、地下2階では巨大なゼリー状のモンスターが不気味に蠢いていた。
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