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眩い光が辺りを包み、ベアへと激しい電撃が浴びせられた。
「ぐっ…ぬおぉぉぉ!」
木製の大盾により電撃はいくらか軽減されたが、ベアを襲った電撃は彼の体を伝って、最寄りのジェラールへと流れた。
「ぐあっ!」
ジェラールは電撃をその身に受けた。
しかしジェラールにはたいしたダメージは無く、電撃は自らかき消えたように見えた。
「…?…なんだ?何ともない…そうだ!ベア!大丈夫か!」
屈強な体力を誇るベアが盾で身を守ったとはいえ、あれだけの電撃を受けたのだ。いかにベアとて意識は保っていられまい。
「ぐおぉぉぉ!!」
すると突然ベアが咆哮をあげ、手にする剣を高く掲げた。ベアは辛うじて電撃に耐えていたのだ。
「くらえ!バケモン!空圧波!」
そして掲げた剣を勢いよく降り下ろした。
ベアの剣をが音をあげて空を切る。
空振りに見えたが、次の瞬間、その剣圧でベアの前方の景色がぐにゃりと歪む。
そしてそれはゼラチナスマターを捉えた。
「オオオォォォ!」
ゼラチナスマターは悲鳴をあげて苦しみだす。
剣圧による衝撃は振動となり、分厚いゼリー状の皮膚を通り抜けて、直接脆い内臓に届いたのだ。
「へっ…見たかバケモンが…」
ベアはそのままドサリとその場に倒れこんだ。
「ベア!おい、しっかりしろ!」
ジェラールは倒れたベアに駆け寄った。
「ジェラール…様…体が痺れて動かねぇ…とどめをお願いし…ます」
「分かった。ジェイムズ、ヘクター!ベアを頼む!テレーズ、援護を!」
ジェイムズとヘクターは動けなくなったベアを2人がかりで担ぎ、後方へと撤退した。
テレーズはジェラールの援護のため、弓を構える。
ゼラチナスマターはベアの一撃が堪えたのか動きが鈍い。
「よくも大切な家臣を傷付けてくれたな。この皇帝ジェラールが引導を渡してくれる。覚悟せよ!」
ジェラールは剣に火術のエネルギーを込めた。
ジェラールの剣が紅蓮の炎を纏い始める。
「ベアがヒントをくれた。外からでダメなら中から破壊するまで!」
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