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びっくりしたジェラールとマーニャは慌てて目を開け、ごまかすように背中をあわせてそっぽを向いた。
「おひゃ!?ジェラールさまぁ~!こちらにおらへまひたかぁ~!」
ベロンベロンに酔っぱらったジェイムズが酒瓶片手に千鳥足で近付いてくる。
普段の仏頂面とは打って代わり、真っ赤な顔をだらしなく伸ばしている。
「ふしょー、このジェイムズぅ~!へいかを、ヒック、えんかいにごしょうたい~いたひたくぅ、ヒック、まいりまひたー!」
なんだか大変な事になっている。
あのジェイムズが…キャラ崩壊をおこしている。
ただ事ではない。
ジェラールはベンチから立ち上がり、ジェイムズに駆け寄って揺さぶった。
「おい!ジェイムズどうした!しっかりしろ!…うわっ!酒臭いっ!」
後からベアが屋上に出てくる。
「おい!ジェイムズ!こんな所にいやがった!お?ジェラール様とマーニャさん?」
「ベア!一体どうした!ジェイムズが!」
状況が飲み込めず、慌ててキョロキョロするジェラール。
「落ち着いてくださいジェラール様。こいつはただの酔っ払いです。こうなってからジェラール様も呼ぶと聞かなくて…な、ジェイムズ。戻るぞ。」
ベアがジェイムズを捕まえると
「ひゃっ!ヒック!うぷっ!」
ジェイムズの顔色が恐ろしく悪い。
「おい…まさか…ジェイムズ!ストップ!ストップ!外まで耐えろ!」
ベアは慌ててジェイムズを担ぎ上げると、大急ぎで走っていった。
程なくしてベアの悲鳴が聞こえてくる。
ジェイムズが力尽きたようだ。
「まったく…飲ませすぎるなといつも言っているというに。」
ジェラールは呆れ返る。ベアは酒の飲み方を知っているが、ジェイムズは違う。ベアと同じ調子で飲んだらただでは済まないのは分かりそうなものだろうに。
酒に弱いヘクターは恐らく、今頃部屋で動かなくなっているだろう。
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