第2章 ザ・ドラゴン

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「びっくりさせてすまなかったな。マーニャ。」 マーニャは目を丸くしたままポカンとしている。 しかし、しばらくすると我に帰りぷくっとふくれた。 「もう…せっかくの雰囲気が台無し…」 不機嫌そうな顔を赤くして下を向いている。 しかし、次の瞬間マーニャはクスリと笑う。 「くすっ…あはは!もう、びっくりしたぁ!」 ジェラールもつられて笑う 「はっはっは!間抜けな家臣ですまんな!」 ひと笑い終えたジェラールとマーニャの傍らを、澄んだ夜風が爽やかに吹き抜けた。 「マーニャ。」 「なに?」 「お互いまだ会ったばかり。語り尽くせぬ事も多いだろう。私も君も、お互いを知り合うにはまだまだ道のりは長い。その…しばらく時間をくれないか?その間にたくさん同じ時間を過ごしていこう。そしていつか君を本当に理解できたら、その時は…これではダメか?」 マーニャはニコリと笑う。ジェラールが好きな、あの笑顔。 「ううん…嬉しい。いつか私にもジェラールさんの事教えてね。私もアバロンまで会いに行く。だからジェラールさんも…その…会いに…来てね…?」 マーニャは顔を赤くして、上目遣いにジェラールに視線を送った。 「ああ、約束だ。」 マーニャはその言葉に納得するかのようにニッコリと笑うと、大きく息を吸い込んだ。 「さて!ジェイムズさんをなんとかしないと!」 マーニャはスッと立ち上がると、大股で歩き出し、ジェラールの横を通り過ぎていった。 「ベアさーん!ジェイムズさーん!大丈夫ですかー!」 ジェラールは宿の中に戻っていくマーニャの後ろ姿を見つめ、心の中で呟いた。 「マーニャ、ありがとう。いつかきっと…君を迎えに行くよ。」
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