コーヒーと煙草、時々、煙。

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真っ暗な世界から目を開けると、そこは見知らぬ部屋。 私は……生きているのか?と思ったが、部屋の主が帰ってくるや否や青ざめた顔。 正直、私も驚いてしまったのだが、相手は私よりも驚きを隠せなかったようだ。 「な、なんで……?どうしてここに……っ!!?確かに、お、俺は……っ」 ガタガタと震える男が腰を抜かした瞬間についたテレビ。 そこから流れたのはニュースで、女性アナウンサーが発した言葉は私の名前。 襲われた場所云々が色々と流れてくる訳で…… あぁ……やっぱり私は死んだのだと、気付かされた瞬間でもあった。 「で、でていけ!でていってくれっ!」 男は腰を抜かしながらも「出ていけ!」と叫ぶ。 おいおい、この男。身勝手に私を殺しておきながら出ていけコール連発って、ふざけてんですかコノヤローって思った。 いや、生きてたら不法侵入であれですけど、私、死んじゃってる訳で……。 現在の職業何ですか?って聞かれたらバリバリの現役幽霊ってやつですよ? ……だけど、私にはもう、何も出来ない。 しかし、何も出来ない私の目の前には不本意ながらも、私を殺した男の傍にいる。 私は、この男を絶対に許す訳にはいかない。 コイツが捕まるまで離れてはやらないし、ましてや、罪も償わず勝手に死なれては元も子もない。 見張りと言う名の呪縛霊(ストーカー)と言われたって構わない。 だから、私は消えない。 私から……奪った…… この男を、逃がさない為にも──── 生きて、罪を償いなさい。 特に私は何かをするわけでもないと言ったのだが、それでも騒ぎ続けるこの男を黙らせる為に「それ以外騒ぐとお望み通り本当に呪うぞ」と、軽く脅したのは言うまでもない。 そして、私とこの男との奇妙な同居生活の始まった。
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