腐敗が止まらない…

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「ご、…はい、見学に来ました」 「?…そっか、じゃあ俺と一緒に行こう。俺はバレー部のマネージャーの岸辺 吾郎(きしべ ごろう)だ。宜しく」 「あっ、はい、宜しくお願いします」 危ねぇ、間違えてゴリラって呼びそうになったわ。ゴリラさん、もとい吾郎さんは俺に優しく微笑みながら案内してくれた。ゴリラと天使のように穏やかな微笑みが、なんともミスマッチで頭の中で思わず、ゴリラ受けと思ってしまった。いかん、いかん。その沼にハマってしまっては。 そして、歩くたびに揺れる雄っぱいに、つい目がいってしまう。その雄っぱいに飛びついていいですか? 「キャプテン、見学の子が来たんだが」 「おぉ、そうか!見学するなら其処の席に居てくれ、もし一緒にプレーをするなら彼処の部室で着替えてくれても構わない」 「はい、分かりました」 迎えてくれたのは、部活紹介にも現れていたキャプテンだった。光り輝く汗が眩しいっす、キャプテン。何人か一年生らしき人が一緒にプレーをしていた。 俺は部室に入って着替えた。眼鏡は外しません。俺のアイデンティティですから。良かった、一応練習着とシューズ持ってきて。しっかりと体操と軽いランニングをして準備万端。 「よぉし!それじゃ、見学の奴らは軽くボールに触れて、高校のボールに少しでも慣れてくれ。バレボール経験者はできる奴から、どんどんとコートに入っても構わないからな!」 と、キャプテンが言っている側でこれまた部活紹介で見た長身の男が、キャプテンの首に手を回して後ろにピッタリと密着していた。 お互いに汗をかいているから気持ち悪くないのか、あれ。絶対に汗でべとべとだろう、ばっちい!それともフェチなのか愛なのか、汗フェチとか変態くさいわ。 バレー部は当たり前の光景であるようにスルーで、俺達新入生は何とも言えない視線を送った。キャプテンがいい加減にしろ!と、言って拳骨をして離れさせた。 ホモっていいなー。
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