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「やっとだよ」
彼女が口を尖らせて文句を言う。
卒業式が終わり、春の日差しが
夕暮れの化粧を始める。
ほんのりと紅く染まる頬は、
もう少女の色ではないようで、
少しドキッとした。
「3年なんてすぐだろ?」
そう聞いてみた。
「1日はすぐでも、1ヶ月は長いの。
1ヶ月がすぐでも、1年は長いの。
3年はすぐじゃなかったよ」
確かにそうだ。
1つずつ思い出をたどれば、たくさんありすぎて
すぐではなかったのかもしれない。
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