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成長していくうちに、仁志は一度限界を迎えた。
中2の時、理由らしい理由もないのに突然登校拒否を始めたんだ。
そうしてやってきた家庭教師の女の人と、あやしい関係になっちまった。
気付いていたけど、なにも言えなかった。
言えないでいるうちに、仁志と彼女のことが親にばれた。
彼女はすぐにクビになって、決まっていた就職もパアになったと聞いた。
自分のせいで彼女は罰を受けたんだと泣いた仁志を見て、俺はまたやってしまったと思った。
一番、近くにいると思ってた。
俺が一番、仁志のことわかってると思ってた。
……こんなに静かに、激しく人のこと好きになるやつだって、知らなかった。
一番苦しんでるときに助けてやれなかったくせに、なにが親友だ。
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