第5章「一人で出来るもん」
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オズに聞いていたような暖かい空気はなく、灰かぶりの森の、何もかも燃え付くしたような臭いが辺りを充満していた。 鼻につく《死》の臭い。 息をするのも嫌になる。 『…アリス』 ふと、洞窟の入口、アリスの後ろから声が聞こえてきた。 振り向くと、オズがそこにいた。 ただ、そのオズはいつものオズとは違っていた。 オズを通して、向こう側が透けて見える。 オズは姿が透けて見えていたのだ。
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