第2章 「……それだけは、教えたくない」

4/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
私がいたのは洞窟の一角、ほら穴のようなものだったみたいだ。 1歩外に出ると、洞窟なのにうっすらと明かりが漏れていた。 寒いから、と渡された毛布を羽織り、オズを追いかける。 「ここの水は少し濁ってるから、上流……ってかもう少し水がきれいなところに汲みに行くんだよ」 オズは優しく教えてくれた。 明るい鍾乳洞のなかで、色素の薄い髪や、黒と赤の瞳がはっきり見えて、何かを思い出しそうだったけど、頭が急に痛くなって、考えるのをやめた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加