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「お前、何が好き?」
「おかし食うか~」
「マンガもあるよ~」
いくら僕がそう言っても彼女はおどおどするだけで縮こまっている。
どうやら僕に恐怖心を抱いているようだった。
精神的に少しだけ成長したとはいえ、
僕は金髪だし、見てくれは優しい人間には見えないのかもしれない。
いや、待てよ・・・と僕は思い直す。
そういえば、この子はあの暴力を振るっていた父親と幼少期に住んでいたはずで。
姉が彼と別れたのは2年前で、それまで姉やこの子が殴られていたことを思い出す。
そりゃあ、母親以外の人間を怖がるのは当たり前の話だ。
大人しくて、これより小さな子供を殴るだなんて。
やはりあの時の自分の行動が間違ってなかった、という思いが今となっては強くなる。
まぁ、僕に敵意がないってわかるまで、根気よくこいつに付き合おう―――
元不良の根性をなめるなよ。
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