僕と彼女の親子の時間

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そのアパートに移って数日が経過し、 悪い過去を清算しながら、 ようやく落ち付いた時間を過ごしていたある日のこと。 僕がテレビを見ながらくつろいでいると、突然玄関のチャイムの音が鳴る。 「いいですよ。どうぞ――」 知り合いでも来たのかと思い、 カギもかけていなかったので僕は大きな声で叫んだ。 だが、一向に玄関のドアが開く気配はない。 遠慮しているのだろうか。 そう思い玄関に足を運ばせてドアを開けると、 誰もそこにはいなかった。 やんちゃしすぎたせいで、 今どきピンポンダッシュという古めかしい嫌がらせを受けているんだろう。 そう考えて僕は、 少し悲しさを感じながらドアを閉めようとする。
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