僕と彼女の親子の時間

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再び電話をかけたが、 コールはするものの、電話に出ることはなかった。 目の前の少女がアタフタする僕を、大きな目でジーッと見ている。 僕は色あせた木造の玄関先で深く嘆息し、 咲耶を部屋の中に入れた。 部屋はタバコの匂いが充満している。 自分が中学校の時から吸っていて何なのだが、 子供にタバコは良くないっていう言葉を耳にタコができそうなくらい聞かされていたので、 すぐさま窓を開けた。 しばらくは、外で吸うか・・・とささやかな決意を持ち彼女と対峙する。
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