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つまり白金チケットとは、其れ程の逸品なのだ。
故にワシは即座に理解する。
目前の若造――改め紳士は、深海の底よりも深く反省しているのだと――。
「ふっ........程々にな....若者よ――。」
「肝に命じておきます、御老人。」
ワシと彼は、そう手短な言葉を交わすとワシは白金チケットを、手早く懐の内へとしまい込んだ。
だが....ワシはこの後、直ぐに知ることになる。
この男の真の恐ろしさを........。
それは正に、ワシが自分の席に戻った直後で出来事であった。
ワシが椅子に座ろうとした直前、裕太がワシに告げる。
「お爺ちゃん、チンチ○出てるよ?」
「なっ........!??
なんじゃと――――!!?」
その瞬間、ワシは悟った。
あの男は、ワシの弱味を握った上で情けをかけてきたのだと――。
ならば最早、ワシに反撃する為の余力は、残されていない事になる。
(完全敗北だと....このワシが....!??)
「....裕太、そろそろ帰れろうか........。」
力なく放たれたワシは裕太は、そう言うとワシらは静かに店を後にした....。
――――――
(さて....どうしたものか?)
障害は去った....しかし....。
耳でのタバコを試してみたがコーヒーの味に変化は見られなかった。
やはり耳では駄目らしい。
取り敢えず、タバコ三本同時も試してみたが何か今一だ。
(仕方がない....帰るか?)
そう思った直後、私は自身に訪れる災厄に気付く。
その災厄とは暴徒と化した股間である。
(ば....バカな何故――!?)
私は取り敢えず、タバコの種類を確認した。
次の瞬間、私は理解する。
内一本に、精力剤系のタバコが含まれている事を――。
(天は続ける事を望んでいるのか、私に――?)
だが後、やれる事など....。
いや1つだけある。
試していない事が....。
私はタバコに火をつけると、尻へとタバコを運んだ。
誰にも悟られぬように....。
――――――
(やれやれ....何だ、あの男は?)
俺は溜め息をついた。
非番だと言うのに騒ぎは勘弁して欲しいものである。
俺の名は南・小次郎【みなみ・こじろう】
しがない警察官にして30歳、童貞だ。
故に一人寂しくカフェ三昧って訳である。
だが、そんな安らぎは長く続かなかった。
ヤツの暴挙によって....。
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