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「御注文は御決まりですか?」
「あ........えぇ、アメリカンのMをお願いします。
後、タバコ吸いたいんですけど喫煙席って何処ですか?」
「はい、彼方で御座います。
御注文は以上で宜しいですか?」
「えぇ、取り敢えずは、コーヒーだけで大丈夫です....。」
俺は店員の若い女性に、そう断りを入れ御代を支払った後、コーヒーを受け取りつつ、ゆっくりと喫煙席へと向かった。
誤解の無いように読者の皆様には先に言わせて頂くが私は、アメリカン・コーヒーのMを頼んではいるが私は、決してMな性癖を有している訳ではない。
いや....寧ろ、ドSと言えるだろう。
それはともあれ私は席に着くと、アメリカン・コーヒーを一口、口内へと流し込む。
(旨い........。
やっぱりコーヒーはアメリカンに限るな....?)
これは意外と知られていない事かも知れないが、アメリカン・コーヒーは記憶維持成分がふんだんに含まれており、ボケや記憶維持に有効らしい。
まぁ、そんな訳で私はコーヒーはアメリカン・コーヒーと決めている。
私は溜め息をつきつつ、タバコを一本取り出した。
私が取り出したのは最近、流行りのフルーツ味のタバコ。
因みに私が今、手にしているのはブルーベリー味のタバコである。
私はタバコに火をつけると、取り敢えず一服した。
無念な事に、今日も会社内で悩みに悩み抜いて結局、アイディアの1つも浮かばない有り様――。
そんな私に出来る事など精々、苦肉の策でタバコ開発課の主任をしている者にハッパをかけた後、苦し紛れに焼き鳥のタレ味を提案すると言う微妙な状況だったのである。
屈辱だった。
アイディア課はいざと言う時の為に、アイディアを確保する為に設立された課である。
しかし私は今回、その任務を達成できなかった。
情けない話である....。
だが、それにしても....。
(タバコとコーヒーって何か合うな?)
正直、意外である。
今回、ブルーベリー味のタバコを吸った訳だが、それが妙にマッチしていた。
(あれ....?
待てよ....他のもしかして、タバコでも合うんじゃないのか!?)
不意に私の脳裏に、そんなインスピレーションが迸る――。
そして、私が次に取り出したのは、チョコレート味のタバコ....。
私は早々に、タバコに火をつけると一気に吸い込む。
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