会社帰りのコーヒーショップにて♪

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その後、タバコを灰皿に放り込むと私はアメリカン・コーヒーを一口飲んだ。 「コングラチェェェ――!」 私は感動の余り、思わず叫んでしまう。 だが、その瞬間、周囲の視線が一気に私に向けて突き刺さる。 冷たい視線――。 主婦に、OL、サラリーマン、学生等々....。 その視線は無数にあれど、言わんとしてる事は1つだ。 ――黙れ―― ――である。 (おっと........私とした事が、しくじったな....。) 如何に感動の余りとは言え今のは、流石に軽率な行動と言わざる得ないだろう。 私は恭しく、周囲に一礼し大声を上げてしまった非礼を詫びると再び、着座した。 しかし....意外である。 今まで余り考えた事はなかったが、意識してみると意外過ぎる程に、コーヒーとタバコは相性が良い。 ただ....僅かなお試しで、それを結論づけるのは流石に、早計すぎるか....? (そうだな........。 他のでも合うか、試す必要性はあるよな?) 私は残ったアメリカン・コーヒーを一気に飲み干し、カップとトレーを返却場へと返却すると、即座に店を出た。 そうした理由は、ただ1つ。 多数のサンプルを、入手する為である。 そう....タバコと言う名のサンプルを――。 そして、それより十分程が経過したであろうか? 私はコンビニで、数十種類のタバコを買い込み再び、 先程のコーヒーショップへと向かった。 タバコについては当然、領収書を獲得済みである。 これは私個人の趣味で行っている訳ではない。 会社の為に行っているのだ。 そう....会社の今後の幸ある未来の為に、私は貢献しているのである。 「アメリカン・コーヒーを、1つ――。」 私が、そう店員に言うと、店員はやや「あれ、何でまた来たの?」――と言わんばかりの表情を一瞬、浮かべつつ私が注文したコーヒーを入れ始めた。 「お煙草は、お吸いになられましたよね?」 私は、その言葉に無言で頷くと、アメリカン・コーヒーを受け取り空いてる席へと向う。 奇しくも、席は先程と同じ席である。 (縁があるようだな、この席とは――。) 私は一人納得しつつ、着座した。 しかし、まぁ....凡人に私の様な優れたアイディアマンの考えなど、分かるまい。 いや、そもそも分かって貰おうとも思ってはいなかった。 人から理解されないのは、非凡なる私の宿命と言うべきものなのだから――。
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