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??月×日 午後6時の出来事からこのお話は始まります。
「あ、薬草を切らしてたんだった…」
部屋の一角。
数ある試験官のなかに綺麗に並べられている薬草や動物の一部、人魚と言われる生物のあり得るかわからない涙。それらの中から今日使おうと思っていた物を取ろうと手を伸ばすもその試験官の中は空っぽで…。
嗚呼、そう言えば前回(1話冒頭)の実験の時に使用をしてそのまま補充を忘れてしまっていた事をやっと今思い出してしまい目の前でぐつぐつと煮えたぎっている液体に思わず目線を落としてしまう。
嗚呼、此処からの調合をどうしようかと考えながら首を傾げていれば部屋の外から聞こえる微かな足音に、おや、今日私は何か予約を入れていただろうかと思わず傾げていた首を更に傾げる事となる。
案の定コンッコンッと控えめに叩かれる部屋の扉の音に私は思わず息を深く吐きながらその扉に向かう。あ、勿論薬品(基、中途半端な実験物)は勿体ない状況ではあるがゴミ箱へとボッシュートしている。
まさかゴミ箱に入れた途端にその袋が溶けるなんて誰が予想しただろうか、私は予想していない。
「どちら様ですか?」
この部屋を知っているのはEye.Sのメンバーとおうサマ、後は…ミリアさん位だろうが今日はなんか会議と言っていたので多分王サマとミリアさんはありえないだろ…いや、あり得ないでください。
そんな私の問いに控えめに答えてくれる小さな声。
「あ、Eye.S 執行人の桜です…局長今お時間宜しいですか?」
………また何かを忘れてしまったんでしょうか…。
昨日渡していた筈の書類内容を思い出しながらその扉のノブへと手を掛け回し外に立っている桜さんとその隣で申し訳なさそうにこちらを見ているNさん
がいらっしゃった。おや?Nさん?
「どうかしたのですか?お二人が揃いもそろって。」
そしてこの問いに後々私は後悔をするのである。
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