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「あの、宮さん…すみません……」
私の問いに対しNさんが本気で申し訳ないと言いたげにぼそぼそと呟いて来た。桜さんも思わず口を紡いでしまう状況で、おや?これは任務で何かをやらかしたパターンだなと納得すると同時に瞬時に頭に浮かぶその光景に思わず息を吐いてしまう。
それを見たお二人は更にびくりと縮こまっていた身体を縮ませながら恐る恐る此方を見てきた。可愛いではないですか…。
「で、何をやらかしたんです?桜さんは残党狩りでNさんには他にも残党が居ないか捕まえていた者から話をしていただける状態まで追い込んでくださいという任務だった筈ですが?」
Eye.Sには何人かの拷問員が居るのだがその中でも一番仕事に向いているのが目の前に居るNさん。
そして執行人で少しだけ抜けている忘れっぽい桜さん。このお二人が揃いも揃って私の所に謝りに来る理由はだいたい1つ。
Nさんはきっと話をさせる前に捕虜として捕まえていた残党を殺してしまったのだろう。
そして桜さんの方はーーー…。
「ごめんなさいっ…つい、楽しくなってしまって捕虜を殺してしまいました…」
「えっと……残党のお顔忘れてしまって…多分…数人逃したかも?」
嗚呼、やっぱり。
「やはり、ですか…うーん、困りましたね…。捕虜の死亡は、まぁ、また新たなのを捕まえてしまえばどうにかなりますが逃走は…ねぇ……」
「うっ…うっ…次は、次は逃さないのでまた資料を見せてください宮さん…」
ぽそりと言った私の言葉を聞いて桜さんは元々白い顔を更に真っ白くさせながらお願いと両手を合わせて此方を見上げて来ます。待って待って、これ1つ間違えれば私が虐めている事になりませんかね!?此れを誰かに見られたら本当私の局長人生に終止符が打たれそうです。嫌だ絶対。
「あああ、はいはい、わかりました。わかりましたから桜さん落ち着いて深呼吸をしてください…。とりあえずNさんはもう1つ頼んでいた仕事をお願い出来ますか?」
ふと脳裏に人生どん底の私が見えて思わず眉を歪めてしまいながら謝り通している桜さんを落ち着かせると隣でその様子を見ていたNさんにへと新たな任務をお願いしようと口を開いた時だった。Nさんがぱっと顔を明るくさせながら人差し指を私の目の前へとやる。そして開口一言。
「あ、それは終わりましたよ!宮さん」
「はい?そっちが終わった…とは?」
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