02:後悔

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にこにこと笑顔で此方に呟かれた言葉に更に言葉を無くしてしまう。おやおかしい。アレは直ぐに終わるものでは無かった筈だが。 「あの、私が相手を気絶させてる間に相手に打ったりして試して見てたら…死んじゃいました」 嗚呼、なるほど。そう言う事か。 私は実はNさん個人にとある事を試していただく様にお願いをしている。それは、新薬の効果を確認する確認作業だ。 捕虜相手に新薬の効果を使って調べて貰いそれを簡潔に此方に伝え今後使えるかどうかを見る、と言う捕虜に全然優しくない拷問内容となって居るがよく考えてみよう。捕虜に優しさなんて見せては駄目だろうと思う。 「……つまりは新薬を試すのが楽しくなってしまい捕虜を殺してしまったと…」 「あの麻痺薬は強すぎます。もう少し弱くして貰えたら拷問とか捕縛にはうってつけかなっと…あと、毒薬ですが解毒剤の効きが悪くてもし味方に当たってしまった時の事を想定に入れたら実践では使用しにくいかと…」 「嗚呼、そうですか…それは困りましたね…毒薬は新たに調合をすればいいとして麻痺薬ですか…アレは強すぎたら心臓麻痺さえも起こしかねないですからねってコラ、話を逸らさないでください。」 成る程と納得しながらもつらつらとその小さな口から出される言葉を聞きながら今後の薬調合の為、この薬とこの薬を調合してなどど思いながらふと我に返りNさんの言葉を止め叱る様に呟けばしゅんっとする顔。いやだから、可愛いですねこのやろー。 「はぁ…とりあえずわかりました。では桜さんは今から私と資料を確認しましょう。Nさんは今日は非番だった筈のシエラを部屋から呼んで来てください。桜さんは顔がわれてるかもしれないのでついって言っていただきます。」 「わかりました。シエラ呼んで来ますー」 先ほどまで薬の事を考えて居た脳内を一変させて仕事モードへと変えれば指示を2人にして行く。Nさんは私の指示に従って部屋にいるであろうシエラを呼びに向かう姿を見て私はまたシエラに文句を言われるのだろうか、と思いながら息を吐いた。 嗚呼、私の安息は何処へ。 兎に角このままEye.Sの書類置き場へと向かおうかと思ったのだがこのままの格好ではまた何かを言われる気がして着替える事にしましょうか。 「とりあえず服を着替えますのでちょっと待っててください。」
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