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目の前にある中身が既に煮え立ちどす黒い赤へと変色しているその液体の中に粉状の紫色の物を少々。
其れに加えて白い何かの尻尾の干物を切ったものをその中に入れてゆっくりと混ぜる。
すると匂いが刺激的な物へと変わり直ぐに無臭になる。
此処までしたら俺の愛用する毒薬が完成するわけだが……。
「久しぶりに薬を調合してたら時間が思ってた以上に過ぎていた…」
いつも通りの薬を調合するのは面白くない、自分でもまだ作った事のない新しい薬を作ろうと思った結果。
失敗の数数個、成功の数数個と言う結果を眺めながら遠い目をしつつその部屋に唯一置かれてる私物の時計を眺め息を吐く。
調合を始めたら何時もこれだと困っても無いのに頭を適度に掻いて液体が飛んでボロボロになってしまった服を確認。
此の儘で外に出て部下の前へと行けば100%変人扱いと、なってしまう。
特にシャルル辺りがからかって来そうだと考えながらも服を着替えなければならないよな、と脳内で結論を出せばその出来上がった毒薬を小瓶に移し其れを元々持ってきていた鞄の中に適当に入れてその部屋を後にする。
後片付けはまた次回で大丈夫だろう。
そして徒歩数歩である自らの部屋にたどり着けば衣装ケースの中に無造作に掛けられてある自らの仕事着を取り出して其れに着替える。
元々着ていた穴だらけの服はもったい無いがゴミに出して忘れ物は無いか確認。
薬の入ったスピッツ管を鞄に入れ、折り畳み式スティッキをスティッキケースにへと直し眼鏡をかけ直して無造作に放置されていた髪を梳かし結べば何時もの俺にへとなるもんなんだよな、当たり前だけども。
此処までしたら後は時間まで待ってアジトに向かえば良いだけだしゆっくりと時間を潰そう。
なんて思いながら椅子に座ったのが間違いだった。
そう、気がついたら寝ていた。
おはよう朝日、こんにちは遅刻。
さて、今日も全速力で走りますか。
(私の朝は慌ただしいんです。だって何時も寝坊してしまうので)
(あ、また走ってる…)
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