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 辻霧はすぐに首を横に振る。 「コーヒーを飲んだあとの煙草の吸い口にしては綺麗過ぎないか?第一、コーヒーを飲んでから煙草を吸ったというのなら、結局のところ毒の混入ルートはわからないままではないか?」 「じゃあ、やっぱり毒は煙草に仕掛けられていたんですよ。接しているくらいじゃ毒は付着しなかったのかもしれない」 「君は普段煙草を吸う時、それを箱から取り出すのにどうする?」  横峯は実演してみせた。  箱のフタを開けて、煙草を一本つまみ出す。  彼は、辻霧が何を言おうとしているのかを察して言った。
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