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「箱に残っていた煙草からは、まったくもって唾液が検出されなかったよ。ちなみに、付け足しておくと、灰皿に残っていた煙草の吸い口から毒物が検出されたと言ったけれど、厳密にいうと紙の部分だけだった。煙草の葉の部分からは検出されていない。つまり、口に咥えて吸った程度では死なないんだ」
横峯は反論の余地をなくし、口を閉ざしてしまった。
辻霧はその様子を見て、体を揺すりながら笑った。
「ギブアップって感じだね」
「はい。降参です」
「うんうん。煙草に目をつけるところまでは良かったんだけれどねえ」
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