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数分で戻って来ると再び電話を掛けなおす
プルルルルッ…プルルルルッ…
出ない……スネてるな……
電話を諦め警視庁の中へと進む
駐車場・訓練場と探すが見当たらない
最後に資料庫へと足を運ぶと彼女はそこに居た
「あっ……来た……」
「電話くらい出て下さいよ……」
「口先だけの男の電話なんて取りたくない……」
「………何スネてんですか……」
「スネてなんかないわよっ!!………ほら、さっさと運転して……行くよ……」
「え?どこへ……てか、もう8時越えてますよ?………それに……」
「何?……人が仕事してんのにあんたは居酒屋で飲んでたんでしょっ!!……」
「飲んでたのは悪かったですけど……」
帰っていいって言ってたじゃんか……
「じゃあつべこべ言うなっ……さっさと運転してっ……」
語尾を強めたいつもの口調
だが、俺には分かる
やっぱ…スネてる……
そんな飲みたかったのかな……
「あの……先輩……」
「今度は何よっ!!……」
「飲んでるって言いましたよね?……」
「…………………じゃあ私の運転か……」
「えぇっ!!それは……」
「何っ?……」
「……………なんでもないです……」
今日で俺の命も最後か……
「なら、さっさと行くよっ……」
毅然と歩き出す工藤
だが、俺の予想は的中した
そう
この人の運転は危険極まりないのだ
キキィーッ
「おわっ!!……」
急に切られたハンドルに俺の身体はぐちゃぐちゃだ
「何あいつっ!!…いきなり詰めてくんなっ!!……ビックリしたじゃないのっ!!……」
「先輩落ち着いてっ!!……ここ中央線ですからっ!!……」
「はぁ?…何それっ!!……」
「早く戻れって意味ですよっ!!……」
夜のネオンの中、俺たちの乗った車がひた走る
頼むから早く着いてくれっ!!……
必死の願いもあってか
はたまた、彼女の運転技術か
車は目的地へと到着した
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