好きな香りと嫌いな香り

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「どこですか?ここ……」 「最初の目撃者、大路さんの家……今から聞き込み行くよ……」 「今からっ?!!……」 「思い立ったら即行動っ……無理なら次の交渉日を抑える……早く出て来いっ……」 俺は渋りながらも工藤の後に続く 「でも、なんで今更……第一発見者の聞き込みなら他の刑事が……」 「あいつらバカだから……同じ様な聞き方しかしてないのよっ……」 「同じ?……」 こんな時間にも関わらず大路さんは快く聞き込みに承諾してくれた 先輩が聞くのは事件当日の振り返りと端的な内容だ あんま変わらない様な…… 「前に話した内容と変わらないと思いますが……」 ほら…… 「確認の為です……では、最後に……現場付近でこういった格好をした人物を見かけませんでしたか?……」 そう言って見せていたのは俺のスーツ姿の写真だ 入社時に撮った宣材写真…… 「なんでそんなの持ってんですかっ!!……」 「横で一々うっさいっ!!……今聞き込みの最中でしょうがっ!!……」 「先輩の方がうるさいですよ……」 「………えぇ、居ましたよ?……」 「!!?……」 「そうですか……ご協力ありがとうございます……」 「いえいえ…あなたの様な綺麗な人と話し出来ただけで、叔父さんは満足ですっ……」 「またまた、ご冗談を……では、ありがとうございました……失礼します……」 軽い挨拶を交わし、大路家を後にする 「さっきのって…どういう意味ですか?……」 「バカみたいに決まり文句になってるでしょ?…怪しい人は居なかったか?って……怪しいなんてその人価値観なんだから…聞き込みは具体的な内容を聞いていかなきゃ伝わんない……」 「あぁ~……なるほど……」 「だからバカは…………さっ、次行くよ……」 「まさか第一発見者3人共に聞いて回る気ですか?……」 「当たり前でしょうが……」 えぇ~っ……あの運転を後2回も…………いや、帰りも入れたら3回もあるじゃんか~っ!!……
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